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「なんですか、こりゃ。」
「ちょっと変なラベルを集めてみました。」
「一番上のは普通ですが…真ん中の、名古屋デザイン博のキャラみたいな謎の生き物はいったい?」
「いやー、私も最初何だろうと思ったんですが。 どーも時計の針なんじゃないかと。」
「あ、なーるほど。 …って、わかっても、やっぱりヘンです。」
「にょろっとしてて気持ち悪いですよね。 ほんと、デポちゃんみたい。」
「いきなり 『デポちゃん』 なんて言っても、ふつーの人はすぐにはわかりませんよ。」
「あ、そっか。 えー、デポちゃんてのは、名古屋デザイン博のキャラの名前です。
しかし、何を考えてこんなデポちゃんみたいなキャラを思いついちゃったんでしょうね。」
「それは、デポちゃんにこそ言いたいことですけどね。」
「左側のキューピーがメガネかけてんのも、びみょーなデザインでしょ。」
「こんなに可愛くないキューピーもなかなかいないですね。 大村崑似だし。
…って、あれ? これ、時計屋のラベルじゃないじゃないですか。メガネ屋ですよ。」
「サービス、サービス。 最後だから、まぁ細かいことは言いっこナシですよ。」
「要するにいい加減なだけじゃないですか。 あ、しかも、右側のはラジオだ。」
「でも、時計屋のラベルなんですよ。時計店ってちゃんと書いてあるでしょ。」
「ホントだ。 ふーん。 時計屋でラジオも扱ってたんですね。」
「精密機械ってくくりでしょうかね。」
「このお父さんキャラはいいですね。」
「ええ、台詞も漢字カタカナ混じり文なのが雰囲気満点です。」
「いいですねぇ。 なんだか 『フクちゃん』 が読みたくなって来ました。」
「さて、懐古的な気分になっていただいたところで。
これにて、すべて終了です。」
「え? こんなデポちゃんフクちゃんラベルで終わり?」
「最後の最後まで失礼な言い方ですね。
ともあれ、お付き合い、ありがとうございました。
また会う日まで。みなさま、さようなら。」
「うーん、また会うのか。」
「失礼な。」
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