★★★
「こっちは、なんか急に手抜きしてませんか? 3つ一緒に入ってるし。」
「特別扱いと言ってください。 ヴァーチャルとはいえ、意外と大変なんですよ、1枚に3個穴開けるの。」
「特別ですか。 そういえば、なんとなく赤いマットも高級感ありますね、
『アカデミー賞入場口』っぽいゴージャス感で、セレブ並みですね。」
「でも、ウチだと赤く見えますが、よそでは焦げ茶色かなんかに見えてるかもしれない、という気はします。
茶色だったら、セレブ感も台無しですかね。」
「それにしても好きですね、万年筆だのインクだの。」
「理想の部屋は 『S氏の書斎』 ですから。」
「スタパ斎藤ですか?」
「違います。 電気製品に溢れまくった書斎なんぞイヤです。」
「最近人生考え直してるらしいですよ、彼は。 だからって、バス釣りの話をPCウォッチでされてもなぁ、とは思うんですが。」
「 『俺様の最強に強まってるルアー』 について熱く語られても、電脳小僧たちにはリアクションのしようもありませんしね。
とゆーか、まぁ、スタパ氏のことはおいておきましょう。」
「話は戻りますけど、これ、丸善のインクの広告なんですね。 『アテナインキ』って丸善ブランドなんでしょうか。」
「確か、大正時代ぐらいに丸善が作った万年筆&インキが 『アテナ』 ブランドだったんじゃなかったかと。
詳しくは知りませんけど、去年あたりアテナ万年筆が復刻されたと騒がれていたような気がするもので…。
インキの方もまだあるんじゃないでしょうかね。」
「ははぁ、復刻ですか。 それはちょっと見てみたいものです。」
「丸善は舶来高級文具の老舗中の老舗ですから、やっぱり特別な存在感がありますね。
なにしろ檸檬爆弾仕掛けられちゃうくらいの老舗だもの。」
「なるほど。 そう思って見ると、このラベルも老舗らしい風格が感じられる気がしてきました。
うむ、この 『キ』の部分が特に。」
「『キ』 はともかく、 アテナってところがまたイカシてます。 なんでアテナなんだかよくわからないんですが。」
「知恵の女神だからじゃないですか?」
「あっ、そうか。 戦いの女神ってゆー印象が強すぎて忘れてました。」
「全然チガウかもしれませんけどね。」
「それよりなにより、デザインが本当にイイでしょう。 色遣いも心憎いです。 黒に赤もカッコイイ。」
「こっちのグレイ、青、茶の取り合わせなんぞは、いかにもレトロモダンなテイストで、いかにもな人たちがいかにも好きそうですね。」
「なんですか、いかにもいかにもって。 いかにもだろうがなんだろうが、イイモノはイイんですから。」
「はいはい。 ホントに好きですもんね、書斎用品。」
「しつこいようですが、理想の部屋は 『S氏の書斎』 です。」
「スタパ氏の部屋の方が絶対似合うと思いますけどね。 部屋と言えば、次のラベル部屋はあるんですか?」
「ええ、次は書店関係、その次はカフェーと続く予定です。」
「そして、また額縁を作ってしまって遅くなる、と。」
「そんなところでしょう。」
「本末転倒もいいところですね。」
「まぁ、ぼちぼち、ということで。」
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