日本のマッチラベル特集   1.フルーツバーラー 
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★★★

  「えー、まず最初に、フルーツパーラーのマッチラベルをご紹介したいと思います。」

  「ちょっと待ってください。 その前に聞きたいんですけど、どうしてマッチラベルなのに 『額』 に入ってんですか。」

  「いえ、その…見てるうちに、小さいクセにいいデザインのものが多いなぁ、と。 で、額装してみたらきっと楽しいんじゃないか、

   などと思ってしまったわけです。」

  「でも、実際に額装するわけにいかないから、ヴァーチャルで、と?」

  「ま、そういうことです。」

  「それにしても、あまりにも額がバラバラじゃありませんか? 統一感なさすぎなんですが。」

  「いやー、絵に合った額を!とか思ってアレコレ作ってたら、なんだかバラバラになっちゃいまして。」

  「要するに、後先考えずにテキトーに作っちゃった、ってことですね。」

  「言ってしまえば、その通り。」

 

★★★★★★

  「それにしても、本当に統一感ないですね。思いっきりバラバラですけど。」

  「まぁ、それも愛嬌ってことで、ひとつ。」

  「愛嬌って年ですか。」

  「でも、作ってる時は楽しかったですよ。実際にはこんなちっこい額つけられないわけですから。」

  「米粒に般若心経書くよりゃマシでしょう。

  「手先が器用選手権ですか。」

  「しかも、よく見ると結構作りが雑ですね。 さては途中で飽きちゃったんでしょ。あ、だから数が少ないのか。」

  「ほっといてください。 それより、どうですか、ラベルの方は。」

  「千疋屋とタカノが主流なんですね。」

  「そうですね。 やっぱりパーラーの老舗ですから。 デザインも甲乙つけがたい感じですね。」

  「別に甲乙つけなくてもいいいじゃないですか。 

   というか、今時、甲乙丙なんて成績もないのに、この言葉って若者にちゃんと通じるんでしょうかね。」

  「そんなどうでもいい話はおいといて。

   千疋屋の方はかなり斬新なデザインですよね。特に紺色の○千ロゴのヤツ。 すっごいモダン感覚。」

  「けど、そもそも伝統的に日本はこういった大胆なデザインは大得意なんじゃないですかね。 家紋なんてみんなそうでしょう。

   この○千は、まるで家紋そのものなデザインですし。 そーいや、戦国武将ってのも、おかしな柄の兜かぶってますよね。」

  「確かに戦国武将の兜には注目ですね。 って、また話それてますけど。 

   個人的には金縁枠に入ってるタカノのラベルの、繊細なロゴデザインが好きですね。

   漢字ロゴが美しいです。 これは色も魚眼石みたいな薄青緑色でエレガントな雰囲気なんですよ。」

  「『魚眼石みたい』なんて当然のように例えられてもわかんないんですが。」

  「そうかなぁ、ピッタリな色なんだけどなぁ〜。」

  「千疋屋の、一番上のピンクの花の入った果物籠もカワイイですね。曲線が綺麗だし。」

  「一番下の果物籠のもイイですよ。 背景一面に GINZA SEMBIKIYA って赤字で書いてあってスゴイ。

   実は、これの日本語ヴァージョンもあるんです。 縦書きの漢字で『銀座千疋屋』って一面に書いてあるヤツ。

   ある意味、マトリクスのオープニングにも似ている。」

  「マトリクスは言い過ぎでしょう。 けど、なんで、それ出さないんですか。」

  「えっと…額つけるのがめんどーだったから。」

  「やっぱり。 本末転倒じゃないですか?」

  「いーんです、別に。 そもそも、面白いのだけ出せばいーんですから。」

  「マトリクスだって面白いじゃないですか。

   あー、しかし、このタカノのぶどうの2枚。 シンプルだけど見てるうちに気に入って来ました。どちらも上手いですね。」

  「シンプルと言えば一番下の緑のヤツですよ。 どこの店のものとも知れぬものですが結構好きです。

   ものすごくなげやりな感じもイイ。」

  「誉めてんだか、けなしてんだかわかんないですね。

   うーん、それにしても、ホントにバラバラな額だ…」

  「しつこいですね。 じゃ、とりあえずのイメージは 『ルーブル美術館』 でどうでしょ。 

   上から下まで色んなタイプの絵がびっしりと掛かってるとゆー。」

  「ダ・ヴィンチと肩を並べる気ですか。」

  「あと、モロー美術館とか、レモン家とか。」

  「レモン家? なんです、それ。」

  「フランス人の元同級生の実家。 アパルトマンの壁にびっしり絵が掛かってるんですよ。」

  「そんな超極個人的な例を出されても。」

  「バスチーユ近くのアンリ四世通りに住んでんです。」

  「だから、知りませんて。」

  「ともかくそんなイメージで、いかがなものか。」

  「ぜんぜんムリ。」 

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